12/08/2004

ソフトウェア開発は知的か否か

IT最新事情 第43回~「ソフト開発を根底から見直そう」

もう1つ前川氏の注目すべき発言は「ソフト開発はソフト工場ではない」ということ。工場のように再生産をする場ではないからだ。もし再生産ならコピーの場になる。企画、設計、開発、テストというソフト開発は、プロセス管理よりも結果、つまりユーザーにとっていかに使いやすいシステムを作り上げるかにある。「バグのない完璧なシステムだが使い勝手の悪いものより、少しのバグはあるものの使い勝手のいいシステムのほうがいい」。


むむ?前半と後半で話につながりがないのですが。工場生産=使い勝手が悪いってこと?そんなことないでしょ。実際これまで散々人手が介在したせいで「たくさんバグがあって使えないシステム」が大量に生産されていたのでは?

「ソフト開発は知的労働でもあるはず。(だからこそ)個人の能力をより重視する必要がある」と前川氏は主張する。ところが、ソフト産業のSE、プログラマの給与実態を見ると、年齢序列になっている。プログラマ1人ひとりの生産性は大きく異なるにもかかわらずだ。できないプログラマほど開発時間が長くなるので、残業代は多くなる。

うーん、僕もそう思っていたんだけど、最近考えが変わってきた。伊藤さんのコメントを。

インターネット時代のエンジニアの価値
しかしいま周囲を見渡すとどうでしょう。対外的な交渉能力や管理能力などのメタな知識を除いた、いわゆる技術に関しての能力という意味では、高速道路の登場により各個人間での差がどんどん縮まってきているのが今の状況なのです。つまりは、人月計算による計算の方がより妥当であるという見解も、あながち間違いではないという方向に近づいているのかもしれないと見ることもできます(決してそうはあって欲しくないのではありますが)。

さらに過激に、Microsoftはソフトウェア工場を現実化しようとしています。
Software Factory

もちろんこの試みには反論もあって、たとえばGrady Boochみたいな人は、ソフトウェア開発を知的生産だと考えているようです。
Friday, December 3, 2004

Microsoft and Domain Specific Languages


さて、どっちが正しいことを言っているのでしょうね。私は、ソフトウェア開発の大部分は知的生産ではなく、機械で代替しうる肉体労働だと思います。その意味では年をとるほど体力がなくなるので、給与は安くなるべきだし、いずれはプログラマという仕事は人間の仕事ではなくなると思ってます。果たして。

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それにしてもGrady Boochって人はブログの何たるかをまるで理解していないね。エントリからのリンクの多くは全部総称ページへのものだし、おまけにこの人のブログ、Permalinkがないじゃん。何だこれ。

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