活用してるのスパマーだけじゃん、とか言われてるAtom PPですが、僕はAtom PPにすごい期待してます。理由は、Writable Webの推進力になりそうだから。
Google Web API、Amazon Web Services、Yahoo Search API、みんなRead Onlyです。とりあえずRead OnlyでもOpen Dataなんだからすげーってのがこれまでの話でしたが、Open Dataがデフォルトになりつつある(証拠なし)今、APIからSPIへの流れが次のトレンドになってきてる気がする。
Google MapsとYahoo! MapsのAPIの違いについてYahoo!の人がブログであれこれ書いてたのに多少インスパイアされたんだけど、これら2つは両方とも地図にアノテーションを加えるという意味では同じ機能を持ってる。違いは、GはあくまでAPI方式、つまりデータを渡しちゃってあとは自由に加工してね、という使い方(MSNもそう)であるのに対して、Yのほうは加工する側(データプロバイダ)がYにデータを渡す(実際はYがデータを取りに行くのだが、まあ同じことだ)という使い方であること。Gの場合、Gの前に立ってユーザーをさばくのに対して、Yの場合はYの後ろからデータを注入してあげるのである。これがAPI vs SPI。
Gの場合、はてなマップとFind Jobの両方をひとつのマップに表示することは(そういうサイトを自分で作らなければ)できない。でもYの場合、Yがユーザーの好みに合わせたデータプロバイダを提案したりできる。Yというトラフィックの集積所の力を発揮できる。
Atom PPは、コンテンツの集積所にコンテンツを注入できる仕組みだ。ブログの投稿を考えるといかにもコンシューマ向け、フロントエンドアプリケーション用、という感じでとらえてしまうが、コンテンツ集積所に後ろからコンテンツを注入するととらえると、SPIっぽいイメージがわく。
例えばはてなブックマーク。はてな自体は場所を提供しているだけで、コンテンツははてなの後ろから熱心なはてなユーザーが毎日注入する。いまやある特定方面の最新情報は、検索するよりはてなブックマークのトップに行ったほうが効率よく見つかる。
例えばAmazon.com。Amazonでは売ってない商品をAmazonで売ることが可能な仕組みがある。
Google AdSenseも、Googleの後ろから広告主がコンテンツを注入していると見れば、GoogleがWeb検索APIよりもAdSense APIにシフトした理由を想像できる。
Atom PPによって、他人のWebサイトにデータを注入するという作業がもっと一般的になれば、中小企業が大規模サイトに相乗りして商売ができるという、かつて検索の世界におこった革命(言いすぎ)がもっと広い分野でおこるのである。現在のAPIブームのような、少数のハッカーが最新APIで小さいアプリケーションを作って満足するというだけではない、もっと大きなムーブメントになる。そのときWebは、大量トラフィックを獲得する少数サイトと、そこに相乗りする中小規模のビジネスにキレイに分けられることになる。それがいいことなのかどうかはわからないが。
9/10/2005
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