10/30/2004

SOAに関する大いなる誤解、オマエモナー

2人のIBMエバンジェリストと最新の技術動向

「SOAを実現するにあたって、Webサービスとしてアプリケーションを作り込んではなりません。サービスとしてアプリケーションを作ってください」

はい?サービスはアプリケーションと同義で、Webサービスは技術の名前でしょ?だって自分でこういってるじゃない。

「米持氏は、Webサービス=SOAという誤解が存在すると指摘する。WebサービスはHTTP、XML、SOAP、WSDLといったWeb技術を使ってSOAを具現化する技術であって、」

だからサービスを作ることとWebサービスを利用して作ることとを両立させて問題ないでしょ?まあいいやどうでも。

ところで、

IBMの考え:「Webサービス=SOAP=HTTP+XML=遅い」ので、適材適所が望ましい。Webサービスで重要なのはWSDL。SOAPじゃない別のバインディングを積極的に使いましょう。JMSとか。

MSの考え:「Webサービス=SOAP=XML」。メッセージ定義にXMLを使うのはすでに抗いがたい業界標準。ただし、転送プロトコルがHTTPである必要はない。HTTPバインディングがいやなら別のものを使えばよい。Webサービスで重要なのはSOAP。on the wireに真実があり、WSDLは真実の見方の一側面に過ぎない。

結局同じこといってるのね。

ただ、ここにきてMSとIBMの違いは鮮明になってきた。

IBMはやはりソリューション志向で、大規模案件を受注し、大規模ソフトウェアを投入し、大規模にお金をいただく会社であるため、本当に手離れのいいソフトウェアを作るための技術としてのXMLは推進しない。

MSはツールベンダーであり、すでに大規模ユーザーは抑えているので、ここしばらくのフォーカスはいかに中小の「フリー」ソフトで開発せざるを得ないところに食い込むか、という視点。ツールは売りっぱなしでなければならないので、そのツールで構成されるシステムはいつでも他のツールを受け入れられるようにしておく必要がある。ここにXMLを利用する動機がある。

で、日本ではここでおしまいだけど、世の中的には第三極があって、それらがまたかき回しに入る。Amazon、Google、eBay。IBMもMSも関係ない、自社で開発者を抱え続ける体力を持ち、ビジネスの推進力としてのみXMLを利用する。XML/HTTP/SOAP/WSDL+現状すでにある開発環境で十分。WS-*とかどうせ使ってくれる開発者がいないから興味もない。

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