1/08/2005

サービスだけで「IT立国」は実現できない、かも

サービスだけで「IT立国」は実現できない:笑門来福

>>日本の「ものづくり」の特徴である品質やきめ細かさ<<

というのはよく聞く話だし、自分自身の周囲を省みても真だと言える。けど、これは「日本」の属性なんでしょうか?ではなくて、属人的なのではないかと考えます。だとすると、必要なのは人の提供(ライセンス)であることになります。属人的であるとすれば、そういう人がより集まったプロジェクトが必ずしも高品質になるとは限りませんし。

ソフトウェアの負け組を主張するのはまだ早い、というのには賛同しますが、ソフトウェアは知的財産だというのには、僕は最近は少し懐疑的です。だって知的なコードって見たことないもん(笑)。そりゃ、スゲー、美しい!、なるほどー、あったまいいなぁピョン吉っ!というソースコードならいくらでも見たことありますよ。だけど、そこにあふれる「知」が、そのソースコードの筆者の創作物だっ、て主張されると、うーんホント?と疑惑の目をむけざるを得ません。本当に「巨人の肩に乗った」んじゃないの?と。

例の「高速道路」論とあいまって、これから大量生産されるコードなんかに知の創造が含まれるわけないよなぁ、ってほうが現実的見方であるような気がしています。

じゃあ知はどこにあるんだ?それはコードに渡されるパラメータにあるんでしょう。たとえばわが社の在庫管理システムは相当優秀ってことになってます。相当優秀で競争優位を生み出しているので、当然ソースコードは公開しません、ってことになるんですが、それはソースコード=ソフトウェアに知が含まれているからではなく、パラメータがソースコードに埋め込まれてしまっているからでしょう。わが社の在庫管理システムと同等のものを作りたかったら、必要なのはそのソースコードではなく、パラメータのほうです。パラメータさえ知っていれば、ソースコードなんかバイト君を雇って書かせればいいでしょう。

Googleがオープンソースに貢献していないという議論があります。Googleの中の人はそれに対して、うちはGoogle、Orkut、GMail(をフリーで提供していること)を通して貢献していると主張しています。一見かみ合ってない議論ですが、ソースコードなんか重要ではなく、それによって何が起きるかが重要だという点では、上の議論と共通しているといえます。

で、元の話に戻ると、主張の中のソフトウェアとはソースコードのことだという前提にたつと、そこに知的財産なんかあるわけないってことです。ですから、ここでのソフトウェアとはそれ以外のものということになるでしょう。ですけど、汎用ソフトウェアってパラメータを与えなければ動かないわけなんで、汎用ソフトウェアにもまた知的財産なんかないと思われます。だから汎用ソフトウェアでIT立国って発想は成り立たないんではないかと。

うーん、いかにも最近の僕っぽい文章だ。ソフトウェアというもの全体に対して懐疑的っていうかやる気がないっていうか(笑)。

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